いえらぶBBのWeb申込み導入が変える賃貸管理と仲介の現場

いえらぶBBのWeb申込み導入が変える賃貸管理と仲介の現場

ニュースの概要

エヌバイテクノロジーズが、不動産会社同士の物件流通を支える「いえらぶBB」のWeb申込み機能を導入しました。管理戸数は2,000戸で、これまで電話やメールに分散しやすかった申込み受付と進捗確認をオンラインで扱えるようにします。全国の賃貸仲介会社は、管理物件の空室状況を確認し、内見予約から入居申込みまでを同じ仕組みで進められます。単なる紙の電子化ではなく、管理会社と仲介会社の間に残る確認作業を減らし、入居までの流れを組み替える点に意義があります。

引用元: エヌバイテクノロジーズが「いえらぶBB」のWeb申込みを導入、賃貸申込業務を効率化(RBB TODAY / Kyodo News PR Wire)

分析・見解

空室確認の電話を減らし、申込みの初動を速める仕組み

賃貸仲介の現場では、広告を見た担当者が管理会社へ空室を問い合わせ、内見できる日時を確認し、申込書を送るという流れが一般的です。物件数が多い会社ほど、同じ内容の電話やメールが繰り返されます。返答を待つ間に別の物件へ顧客が流れることもあります。

いえらぶBBのWeb申込みは、空室情報の確認から内見予約、入居申込みまでをつなぎます。エヌバイテクノロジーズのように2,000戸を管理する会社では、1件ごとの確認が数分短くなるだけでも、月間では大きな差になります。重要なのは作業時間の削減だけではありません。仲介会社が自分で確認できる範囲を広げることで、管理会社の担当者が例外対応や審査前の確認など、判断が必要な業務に集中できます。

業務効率化の本丸は入力ではなく情報の食い違いを減らすこと

不動産DXでは、紙をフォームに置き換えただけで満足してしまうケースがあります。しかし、賃貸申込みで本当に問題になるのは、空室状況、募集条件、内見日時、申込者情報が別々に管理されることです。電話で聞いた条件と募集図面の内容が違えば、後から確認が発生し、手戻りになります。

オンラインで同じ情報を参照できれば、仲介会社が古い資料を使う可能性を下げられます。申込みの受付時刻や対応状況も記録されるため、誰がどこまで処理したかを追いやすくなります。これは単なる省力化ではなく、案件の引き継ぎを安定させる仕組みです。担当者が休んでも進捗を確認できることは、少人数で運営する管理会社にとって大きな価値になります。

Web化しても審査と例外対応は人の判断が必要になる

一方、申込みの入口をオンラインにしても、審査、保証会社との調整、契約条件の確認まで自動で終わるわけではありません。法人契約や外国籍の入居希望者、ペット飼育、短期解約条件など、個別判断が必要な案件は残ります。入力項目を増やしすぎれば、仲介担当者や申込者の負担が増え、途中離脱を招く恐れもあります。

そのため導入効果を高めるには、標準案件は速く処理し、例外案件は早い段階で担当者へ渡す設計が重要です。申込み画面で必要情報を集めるだけでなく、どの条件なら追加確認が必要かを明確にする必要があります。オンライン化は人をなくす施策ではなく、人が判断すべき案件を見つけやすくする施策と捉えるべきです。

成否を分けるのは仲介会社が使い続ける運用設計

管理会社側が便利でも、仲介会社が使いにくければ利用は定着しません。ログイン手順が複雑、情報更新が遅い、申込み後の問い合わせ先が分からないといった問題があれば、従来の電話へ戻ります。全国の仲介会社と接点を持つ仕組みでは、利用者ごとの習熟度に差があることも前提にすべきです。

今後は、申込み数だけでなく、空室確認から申込みまでの時間、問い合わせ件数、入力不備による差し戻し率、内見から申込みに至る割合を継続的に見る必要があります。これらを物件種別や仲介会社別に比べれば、どこで顧客が離れているかが分かります。賃貸DXの価値は導入した事実ではなく、現場の流れが数字で改善したかどうかで決まります。

ビジネスへの影響

管理会社は削減できる確認作業を先に数値化する

導入を検討する管理会社は、まず電話対応の件数、空室確認にかかる時間、申込書の不備による差し戻し件数を一か月単位で記録するとよいでしょう。例えば、1件の確認に5分かかり、月600件発生しているなら、単純計算で50時間が費やされています。Web化によって全件がなくならなくても、半分を減らせれば、担当者一人分に近い時間を別の業務へ振り向けられます。

ただし、削減時間だけを効果指標にすると判断を誤ります。申込みの受付が早まり、営業時間外の機会損失が減ったか、入力不備が減ったか、仲介会社からの紹介が増えたかも確認すべきです。初期費用や教育費と、半年から一年で得られる改善効果を並べて判断することが現実的です。

仲介会社は対応速度を接客品質に変える

仲介会社にとって、リアルタイムの空室確認は単なる事務作業の短縮ではありません。顧客が物件を見つけた直後に内見日時を確定し、申込みまで進められれば、他社へ流れる可能性を抑えられます。担当者は空室確認の電話に費やしていた時間を、希望条件の整理や周辺環境の説明に使えます。

一方で、画面上の情報をそのまま顧客へ伝えるのではなく、更新時刻や募集条件を確認する運用が必要です。情報の反映に遅れがある場合の連絡方法も、社内で決めておくべきです。速さと正確さを両立できて初めて、Web申込みは成約率の向上につながります。

次の投資は申込み後の連携とデータ活用になる

空室確認から申込みまでが整うと、次に課題となるのは審査状況、契約書類、鍵渡し、入居後対応の分断です。申込み後の進捗を別の表計算ファイルで管理しているなら、そこで新たな手戻りが生まれます。将来は、申込み情報を審査や契約の処理へ安全に引き継ぎ、重複入力を減らす連携が重要になります。

蓄積したデータを使えば、申込みが集中する曜日、差し戻しが多い項目、成約につながりやすい仲介会社なども把握できます。ただし、個人情報を扱うため、権限管理、保存期間、誤送信対策を導入時から決める必要があります。便利さだけでなく、情報を安全に扱える体制まで含めて投資効果を考えることが、賃貸管理のデジタル化を一時的な流行で終わらせない条件です。

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